はじめに
SESで働いていると、どうしても「与えられた仕事をこなすだけ」で日々が過ぎてしまうことがあります。
「自分のスキル、本当に伸びているのかな?」と不安に思う人も少なくありません。
私自身、SIerからSESに転職した当初は、業務範囲が限られていると感じていました。
しかし工夫しながら学習や情報発信を続けたことで、確実にキャリアの選択肢が広がってきた実感があります。
この記事では、SESエンジニアが現場の制約の中でもスキルを伸ばすための方法を整理してお伝えします。
1. 現場の仕事を「学びの場」と捉える
SESは、案件や配属先を自由に選べないケースが多いです。
そのため「ただ任されたタスクを消化するだけ」になってしまう人もいます。
しかし、同じ作業でも 「学び」として捉えるかどうかで成長度合いは大きく変わる のです。
- 単純作業でも「自動化できるのでは?」と考える
- 現場でベテランがどう仕事を進めているか観察する
- 使用しているツールや技術を掘り下げて調べる
- 設計書やマニュアルを「なぜそうなっているのか」という視点で読む
例えば、運用・保守が中心の案件だとしても、障害対応の裏側には「設計思想」「システムの仕組み」が必ず存在します。
その部分を意識的に拾っていくことで、ただの作業が スキル習得の場 に変わります。
2. 業務外での学習を習慣化する
SESの特性上、案件によって触れられる技術に限りがあります。
だからこそ、業務外での学習を習慣化することが不可欠です。
具体的な学習の方法は以下の通りです。
- 体系的な学習:書籍やUdemy、Progateなどで基礎を固める
- アウトプット学習:QiitaやZennに学んだことをまとめて投稿
- 実践的学習:個人開発で小さなサービスを作ってみる
特に個人開発はおすすめです。
仕事では触れない技術でも、自分で環境を用意して動かすことで理解が深まります。
例えば私の場合、AWSの勉強を進める中で小さなECサイトを個人開発し、そこで得た知識が実務のクラウド案件につながりました。
3. 資格取得をキャリアの武器にする
資格は「知識の体系化」と「客観的な証明」の両方に役立ちます。
またSESでは案件のアサイン時に資格が考慮されることも多く、キャリア形成に直結する投資といえます。
代表的な資格の例を挙げると:
- インフラ系:LPIC、CCNA、AWS認定(特にSAA)
- 開発系:基本情報技術者、応用情報、Java認定資格
- クラウド系:Azure認定資格、GCP認定資格
資格を持っていることで「未経験領域への挑戦」がしやすくなります。
私自身もAWS資格を取得したことでクラウド案件に参画でき、実務経験を積むきっかけになりました。
4. 情報発信でスキルを定着させる
学んだことは「アウトプット」することで理解が深まります。
エンジニアにとっての情報発信は、スキル定着+自己ブランディングの両方に効果的です。
- QiitaやZennで技術記事を投稿する
- X(旧Twitter)で学習ログを発信する
- Notionやブログで知識を整理する
「人に伝える前提」で学ぶとインプットの質が格段に上がります。
また記事やポートフォリオは転職活動でも強力なアピール材料になります。
5. メンターやコミュニティを活用する
独学を続けていると、どうしても「壁」にぶつかる瞬間があります。
そんなときは、メンターやコミュニティを頼ることが成長の近道です。
- 現場や社内の先輩に積極的に質問する
- オンライン勉強会や技術コミュニティに参加する
- スクールやコーチングで効率的に学習する
一人で学ぶよりも他のエンジニアと関わることで、新しい発想や技術に触れることができます。
また「仲間がいる」という安心感は、モチベーション維持にも大きな効果があります。
まとめ
SESでスキルを伸ばすには、ただ案件をこなすだけでは不十分です。
大事なのは 「現場+自己学習+アウトプット」の3本柱 を意識することです。
- 現場を「学びの場」として捉える
- 業務外の学習を習慣化する
- 資格取得でキャリアの選択肢を広げる
- 情報発信でスキルを定着させる
- メンターやコミュニティを活用する
こうした取り組みを続ければ、SESという環境でも十分にスキルを伸ばし、将来のキャリアにつなげることが可能です。
「SESだからスキルが伸びない」ではなく、自分でスキルを伸ばす仕組みを作る。
その意識の差が、数年後のキャリアに大きな違いを生み出します。
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