はじめに
SESで働いていると、現場によって環境や文化が大きく異なります。
そのため、同じエンジニアであっても 「現場によって評価される人・苦労する人が分かれる」 ことがよくあります。
特に初心者の方にとっては、現場での人間関係や業務ルールに戸惑い、思わぬトラブルにつながることも少なくありません。
この記事では、私自身の経験や周囲の事例を踏まえて、SES現場で起こりがちなトラブルと、その対処法 を初心者向けに整理していきます。
1. 進捗が遅れるトラブル
よくある状況
- タスクの難易度を見誤り、納期に間に合わない
- 複数の作業が重なり、優先順位をつけられない
- 想定外の障害や調査対応で時間を取られる
対処法
- 早めに報告する
「遅れそうです」と伝えるのは勇気がいりますが、早ければ早いほど調整が可能です。
黙って抱え込むのは最悪のパターンです。 - 作業を細分化して見積もる
ざっくり「3日かかります」ではなく、
「設計1日、実装1日、テスト1日」と分けて見積もると精度が上がります。 - タスク管理ツールを活用
現場では、RedmineやBacklogなどの管理ツールを使っている場合もあるので、そのようなツールを利用して可視化することで、進捗把握がしやすくなります。
2. コミュニケーション不足によるトラブル
よくある状況
- 上司やリーダーに報告をしないまま作業を進める
- クライアントが「この人は何をやっているのか分からない」と感じる
- 疑問点をそのままにしてミスにつながる
対処法
- ホウレンソウを徹底する
- 報告:タスクの進み具合をこまめに共有
- 連絡:予定や体調など影響のある情報を事前に伝える
- 相談:困ったら早めに相談する
2. 雑談も大切にする
技術的な話以外でも、ちょっとした会話が信頼関係につながります。
特にSESは「外部の人」と思われやすいため、意識的に溶け込む努力が必要です。
3. スキル不足が露呈するトラブル
よくある状況
- 任されたタスクが難しく、調べてもなかなか進められない
- 「このレベルならできるだろう」と期待されていたのに追いつけない
- 結果的に現場から評価が下がってしまう
対処法
- 分からないことは正直に伝える
「少し時間をいただければ対応可能です」と言えるだけでも印象は変わります。 - キャッチアップの習慣を持つ
- 業務に関係する技術は、自宅やクラウド環境で練習する
- QiitaやZenn、公式ドキュメントで学習を進める
3. 資格取得を目標にする
例えばインフラ系なら「CCNA」「LPIC」、クラウドなら「AWS認定」など、
基礎を固める資格は現場でも役立ちます。
4. 環境やルールに馴染めないトラブル
よくある状況
- ドキュメントの書き方や命名規則を守らない
- 勤怠報告を忘れる
- セキュリティルールを軽視してしまう
対処法
- 現場ごとのルールを早めに把握する
最初の1週間は「観察」に徹するのも有効です。
ルールや文化を理解してから動くと失敗が少なくなります。 - 分からないことはすぐに確認する
「このルールで合っていますか?」と聞くのは決して悪いことではありません。 - 記録を残す
現場ルールはメモにまとめ、自分用のマニュアルにしておくと後で困りません。
まとめ
SESの現場では、トラブルが起きるのは珍しいことではありません。
大切なのは 「トラブルをゼロにする」より「起きても早くリカバリーできる」姿勢 です。
今回紹介したよくあるトラブルと対処法を整理すると、次の通りです。
- 進捗の遅れ → 早めの報告とタスク管理
- コミュニケーション不足 → ホウレンソウと雑談
- スキル不足 → 正直な報告と継続学習
- ルール不適応 → 早めの理解と記録
これらを意識すれば、現場での信頼を失うことなく、むしろ「問題解決に強いエンジニア」として評価を上げることができます。
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