インフラエンジニアとして働くうえで「セキュリティ知識」は避けて通れない必須スキルです。
近年はクラウドやリモートワークの普及により、サーバー・ネットワーク環境に求められるセキュリティ水準も高まっています。
本記事では、インフラエンジニアがなぜセキュリティを学ぶべきなのか、どんな知識が必要なのか、そして学習の始め方について整理します。これからキャリアを伸ばしたい初心者エンジニアの参考になれば幸いです。
なぜインフラエンジニアにセキュリティ知識が必要なのか
1. サーバー運用と直結するリスク
インフラエンジニアはサーバーやネットワークの構築・運用を担当します。そのため、セキュリティ設定を誤ると、
- 不正アクセス
- 情報漏洩
- サービス停止(DoS攻撃など)
といった重大なリスクに直結します。システム障害は信用問題に発展し、企業に大きな損害を与えることもあります。
2. クラウド時代の責任範囲
AWSやAzureなどのクラウドサービスでは「責任共有モデル」という考え方があります。
クラウド事業者が担う部分と、利用者(インフラエンジニア)が担う部分が分かれており、後者にはOSやネットワークのセキュリティ管理が求められます。
3. キャリアアップに直結
セキュリティに強いインフラエンジニアは、市場価値が高いです。
クラウドアーキテクトやセキュリティエンジニアなど、上位職種へ進む際にもセキュリティ知識は大きな武器になります。
インフラエンジニアが身につけるべきセキュリティ知識
OSセキュリティ
- Linuxの権限管理(sudo、パーミッション設定)
- Windows Serverのユーザー管理・ポリシー設定
- パッチ適用の重要性と運用方法
ネットワークセキュリティ
- ファイアウォールの基本ルール設計
- IDS/IPS(侵入検知・防御システム)の仕組み
- VPN・暗号化通信(TLS/SSL)の理解
アクセス制御
- 最小権限の原則(Principle of Least Privilege)
- IAM(Identity and Access Management)の設計
- 多要素認証(MFA)の活用
ログと監視
- サーバーログの分析方法
- SIEM(セキュリティ情報イベント管理)の基礎
- 不正アクセス検知のアラート設計
クラウド特有のセキュリティ
- AWSセキュリティグループ / NACLの理解
- Azureのロールベースアクセス制御(RBAC)
- GCPのIAMとネットワーク制御
学習の始め方
ステップ1:基礎を理解する
まずは 基本的なセキュリティ用語や考え方 を理解しましょう。
おすすめ書籍:
- 『情報処理安全確保支援士試験の教科書』
- 『セキュリティはなぜ破られるのか』
ステップ2:ハンズオンで試す
理論だけでなく、実際に環境を触ることが重要です。
- 自宅の仮想環境でLinuxのユーザー管理を試す
- AWSの無料枠でセキュリティグループを設定する
- ファイアウォールルールを設計してみる
ステップ3:資格を活用する
資格は学習のペースメーカーになります。
初心者におすすめの資格:
- CompTIA Security+(セキュリティ基礎を網羅)
- 情報セキュリティマネジメント試験(SG)
- AWS Certified Security – Specialty(クラウドに特化)
ステップ4:実務で経験を積む
最終的には、実務での経験が最も力になります。
例えば以下のようなタスクに関わると理解が深まります。
- OSパッチ適用の計画と実施
- セキュリティ監査の対応
- インシデント発生時の調査・対応
セキュリティ学習のポイント
- 完璧を目指さない:全てを理解するのは不可能。まずは基礎に集中。
- 常に最新情報を追う:セキュリティは日々変化する領域。ニュースやベンダー情報を習慣的にチェック。
- 周囲と共有する:学んだことをチームに展開することで、自分の理解も定着する。
まとめ
インフラエンジニアにとって、セキュリティ知識は必須の基礎体力です。
クラウド時代においては特に重要度が増しており、キャリアアップにも直結します。
- OS・ネットワーク・アクセス制御の基本を理解する
- クラウド固有のセキュリティ設定を学ぶ
- 書籍・資格・実務を通して学習を継続する
これらを意識することで、信頼されるインフラエンジニアへと成長できるはずです。
「セキュリティに強いインフラエンジニア」は市場価値が高い存在です。ぜひ早いうちから学習を始め、キャリアの武器にしていきましょう。
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