クラウドが当たり前となった今、インフラエンジニアがクラウドを学ぶことは避けられない時代になっています。
オンプレミスだけの経験では、どうしても案件の幅が狭まり、将来的なキャリアに不安を感じる人も多いのではないでしょうか。
本記事では、クラウド未経験のインフラエンジニアがAWSを中心に学習を進めるためのロードマップをまとめました。
「どこから手をつければいいのかわからない」という方に向けて、体系的に学べる流れをご紹介します。
1. なぜAWSから始めるのか?
クラウドといえば「AWS」「Azure」「GCP」が三大巨頭ですが、その中でもまず AWS(Amazon Web Services) から学ぶことをおすすめします。
理由は以下の通りです。
- 世界で最もシェアが高く、日本国内でも案件が豊富
- 学習教材やコミュニティが充実している
- 初心者でも取り組みやすい入門資格(AWS認定クラウドプラクティショナー)がある
- 実際の商用システムでも多く利用されているため、即戦力になりやすい
まずAWSでクラウドの概念や代表的なサービスを理解したうえで、AzureやGCPに横展開するのが効率的です。
2. 学習ステップの全体像
クラウド学習の流れは、以下のステップで進めるとスムーズです。
- クラウドの基礎概念を理解する
- AWSの主要サービスを学ぶ
- ハンズオンで環境を触る
- 資格取得を目指す(クラウドプラクティショナー → ソリューションアーキテクト)
- 業務に活かす・ポートフォリオを作る
それでは、各ステップを詳しく見ていきましょう。
3. ステップ1:クラウドの基礎概念を理解する
まずはクラウドとは何か、オンプレミスとの違いを整理しましょう。
- IaaS / PaaS / SaaS の違い
- 仮想化技術の基本
- 従量課金モデルやスケーラビリティの概念
クラウドに移行する企業が増えている理由も理解しておくと、学習のモチベーションが高まります。
書籍やYouTubeの入門解説で十分理解できますので、まずは全体像を押さえることが大切です。
4. ステップ2:AWSの主要サービスを学ぶ
次に、AWSの代表的なサービスを学びましょう。以下は最低限知っておくべきカテゴリです。
- 計算リソース:EC2(仮想サーバー)、Lambda(サーバーレス)
- ネットワーク:VPC、Route53、ELB
- ストレージ:S3、EBS
- データベース:RDS、DynamoDB
- 監視・運用:CloudWatch、CloudTrail
「実際のインフラ構成をAWSでどう置き換えるか」という視点で学ぶと理解が深まります。
5. ステップ3:ハンズオンで環境を触る
知識だけではなく、実際に手を動かすことが最も重要です。
- AWS公式の無料利用枠(12ヶ月)を活用
- 個人で簡単なWebアプリを構築してみる
- VPC内にEC2を立てて、S3やRDSと連携させてみる
「試行錯誤しながら動かす」経験が、後々の理解と業務対応に直結します。
6. ステップ4:資格取得を目指す
クラウド学習のモチベーションを維持するために、資格取得は有効です。
- AWS認定クラウドプラクティショナー
→ クラウド全体の基礎を広く学べる入門資格 - AWS認定ソリューションアーキテクト(アソシエイト)
→ 実際のシステム設計に必要な知識を習得できる中級資格
特にクラウドプラクティショナーは初心者でも取り組みやすく、最初の目標に適しています。
7. ステップ5:業務に活かす・ポートフォリオを作る
資格を取った後は、それをどう活かすかが重要です。
- SESの現場でAWS案件を希望する
- 個人開発でクラウド環境を構築し、GitHubやブログで公開する
- 技術記事を執筆してアウトプットする
「学んだことを実務や発信に結びつける」ことで、スキルが一気に伸びます。
エンジニアとしての市場価値を高めるためにも、ポートフォリオ作りは強くおすすめします。
まとめ
本記事では、インフラエンジニアがAWSを中心にクラウドを学ぶためのロードマップを紹介しました。
- まずはAWSでクラウド基礎を学ぶ
- 主要サービスを理解し、ハンズオンで試す
- 資格取得を通して体系的に知識を整理する
- 学んだ内容を業務や発信に活かす
クラウドは学び始めればすぐに役立つ知識です。早い段階で行動し、自分のキャリアをクラウド時代に適応させていきましょう。
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