はじめに
インフラエンジニアといえば、これまでサーバやネットワークの設計・構築、運用保守といったオンプレミス環境を中心にキャリアを積む人が多い職種でした。
しかし近年は、クラウドの普及によってインフラのあり方が大きく変化しています。AWSやAzure、GCPといったクラウド基盤が当たり前になり、インフラエンジニアにも新しいスキルが求められるようになりました。
では、これからの時代にインフラエンジニアがキャリアを伸ばすために習得すべきスキルとは何でしょうか?
今回は、クラウド時代を生き抜くインフラエンジニアのスキルセット5選を紹介します。
1. クラウドプラットフォームの知識(AWS/Azure/GCP)
まず欠かせないのが、クラウドプラットフォームの知識です。
オンプレ環境の経験は基礎として重要ですが、クラウド環境での設計・構築・運用ができることが、今後のキャリアに直結します。
学ぶべきポイント
- 各クラウドの主要サービス(EC2、S3、RDS、VPCなど)
- 権限管理(IAMなどセキュリティ周り)
- 可用性設計とコスト最適化の考え方
私自身も、最初はオンプレ案件ばかりでしたが、AWSの基礎から資格学習を始めたことでクラウド案件に入るチャンスが広がりました。
クラウド未経験でも学習を進めていることが評価される場面は多いので、まずは基礎資格(AWS SAAやAzure Fundamentalsなど)から取り組むのがおすすめです。
2. 自動化・IaCスキル(Ansible/Terraform)
クラウド時代のインフラは「コードで管理する」のが当たり前になりつつあります。
Infrastructure as Code(IaC)は、構成をコード化することで再現性を高め、人的ミスを減らす強力な手法です。
学ぶべきツール
- Ansible:サーバ構築や設定を自動化
- Terraform:マルチクラウド対応のIaCツール
- CloudFormation(AWS専用)
私自身もAnsibleを使ってOSやミドルウェアの自動構築を経験しましたが、「同じ環境を何度でも正確に再現できる」というのは大きな強みです。
クラウド案件ではTerraformの需要も高まっており、今後は「自動化できるインフラエンジニア」が強く求められるでしょう。
3. セキュリティスキル
クラウド化が進む一方で、セキュリティの重要性はますます高まっています。
「設定を間違えて情報漏洩」といったニュースを見たことがある人も多いでしょう。
学ぶべき視点
- ネットワークセキュリティ(FW、VPN、WAFなど)
- クラウド特有のセキュリティ(IAMポリシー、暗号化)
- 監査・ログ管理
実務の中で「セキュリティを意識して設計できるかどうか」は評価に直結します。
たとえばIAM権限を最小化して設計する、暗号化や監査ログを有効化するなど、小さな工夫の積み重ねが「安心して任せられるエンジニア」につながります。
4. コンテナ技術(Docker/Kubernetes)
最近では「インフラエンジニアでもコンテナを知らないと厳しい」と言われるほど、コンテナ技術が浸透しています。
学ぶべき内容
- Docker:アプリケーションをコンテナ化し、環境差異をなくす技術
- Kubernetes:大規模環境でのコンテナ管理を自動化
特にKubernetesは導入が難しい反面、クラウドサービス(EKS、GKE、AKS)を利用する案件では必須になりつつあります。
私自身も最初はDockerの基本操作から学びましたが、そこからクラウド環境のコンテナサービスを扱う理解へとつながりました。
5. ソフトスキル(コミュニケーション・提案力)
最後に忘れてはいけないのが、ソフトスキルです。
インフラエンジニアは技術職である一方、クライアントやチームと協働することが多いため、「コミュニケーション力」「提案力」も評価に直結します。
具体例
- 報連相を徹底する
- 分かりやすいドキュメントを残す
- 業務改善の提案を行う
私が経験した案件でも、技術力が高い人以上に「コミュニケーションが取りやすい人」が評価される場面を多く見ました。
クラウドやIaCの知識だけでなく、人と協働する力も磨くことで、市場価値がさらに高まります。
まとめ
クラウド時代にインフラエンジニアが伸ばすべきスキルセットは以下の5つです。
- クラウドプラットフォームの知識
- 自動化・IaCスキル
- セキュリティスキル
- コンテナ技術
- ソフトスキル
これらを意識的に伸ばしていくことで、単なる運用要員ではなく、クラウド時代に活躍できるインフラエンジニアへと成長できます。
大切なのは、日々の業務に追われるだけでなく、学習や実践を通じて「将来につながるスキル」を積み上げていくことです。
あなたのキャリアを次のステージへ進めるために、今日から一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
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